ひとり法人の節税 - 読書まとめ(1)
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Jun 30, 2022
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「日本一わかりやすい ひとり社長の節税」という本を読んで、読みやすくて内容が結構面白かったので、まとめてみた。
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「日本一わかりやすい ひとり社長の節税」という本を読んで、読みやすくて内容が結構面白かったので、まとめてみた。
今回のもくじ(次回の方が面白い)
- 売上1,000万円で法人化は嘘
- 消費税計算について
- インボイス制度について
売上1,000万円で法人化は嘘
よく法人成りのハードルは売上1,000万円以上からとか言われるが、それは消費税の免税特例を前提にしており、インボイス制度でそれが消滅することに加えて、そもそも消費税よりも所得税(法人税)の割合の方が圧倒的に大きいので、実際には売上と法人化のハードルはあまり関係ない。
実際には300万円の利益が出た時点で、特に住民税と社会保険料の負担がかなり大きく変わる。法人は節税方法が多くあるので、それを最大限利用すると以下のようになる。
個人事業 | 法人 | |
所得(利益) | ¥3000000 | ¥3000000 |
所得税(法人税) | ¥74200 | ¥70000 |
住民税 | ¥155400 | ¥5000 |
社会保険料 | ¥415044 | ¥158184 |
社会保険料(法人) | ¥0 | ¥158184 |
合計(その他含む) | ¥649644 | ¥391368 |
①売上400万、経費100万、所得(利益) 300万のケース 東京都在住 ・40歳独身社長という条件
②法人化して倒産防止共済100万、非常勤役員給与100万、
役員報酬100万をとって、 会社の利益を0とした場合
イニシャルコストやを税理士顧問料が上がることを考えると、300万円はミニマムで、400万・500万となってくるとかなりメリットが出てくる。
消費税計算について
個人的に来期からちょうど免税期間が終わり(そもそもインボイス制度くるけど)、さらにカフェの経営のため計算が死ぬほど面倒なので、詳しくみてみた。
ざっくりいうと、以下のような計算式になる。
クライアントから預かった消費税(仮受消費税) - 仕入れ先に支払った消費税(仮払消費税)
freeeでよく見る(課税売上10%)は、仮受消費税が適用される取引ということになる。ほとんどの取引で消費税はかかるのだから、実質的には利益に対して10%が乗ってくる(軽減税率などは考慮する必要がある)
簡易課税で計算する場合
簡易課税で計算する場合は、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出して、以下のように計算する
仮受消費税 ✖️ みなし仕入れ率(業種による)
ちなみにエンジニアやコンサルは第5種に当たるので、50%。仮受消費税の50%を納付すればOK。
インボイス制度について
2023年10月1日以降、クライアントへの請求書が適格請求書( = インボイス)でなければ、先ほどの「仮払消費税」をそこから引くことができなくなる。2029年にかけて、適格請求書以外での請求は控除率が徐々に減少し、最終的には全額負担となる。というのが「インボイス制度」。
適格請求書とは、認定を受けた事業者が発行した、特定の要件を満たした請求書のことで、この請求書以外では「消費税を預かることができなくなる」。
そもそも、500万円の売上に対して50万円の消費税が乗り、免税事業者はそれをそのまま収入にしていた状態が特例であり、今後はそれが発生しなくなる。
やるべきこと
- 課税事業者選択届出書を提出(e-Tax対応)
- 発行する請求書をインボイス制度に対応するものにする
次回は具体的な節税の手法について(今回よりもっと面白い)。